「ピクセルパーフェクトは必要か?」この議論に決着をつけましょう

今回のお話はエンジニア向けに見えますが、多分エンジニア向けではありません。どちらかというと「仕事への取り組み方」的な抽象度の高いものになります。なのでエンジニアではない方もお付き合い頂ければ幸いです。

そもそも「ピクセルパーフェクトって何なの?」という方がほとんどだと思うのですが、ピクセルパーフェクトとはデザインデータと1pxのズレもなくコーディングを行うことです。言い換えれば「頂いたデザインと完全に同じ状態にプログラミングする」という事ですかね。

「ピクセルパーフェクト」って検索すると、具体的な方法やコツみたいなものは殆ど出てきません。それよりは「ピクセルパーフェクトが必要なのか不要なのか?」という議論が大半であり、体感では7対3くらいで不要論が多い気がしています。

そういう論調の中で、ピクセルパーフェクトのコツなど記事にしてもあまり需要がないから具体的な方法論の記事がないのでしょうね。私としてはピクセルパーフェクトの攻略法(というほど得意ではないのですが)について書こうとも思ったのですが、その前に今回のタイトルに通り「ピクセルパーフェクトの存在意義について、自分の考え方をはっきりさせておこう」と思ったわけでございます。

ピクセルパーフェクトの必要or不要論に結論を出します

というわけで、いきなり結論を出してしまいます。私なりに思うことは「それはクライアントが決めること」それが全てだと思っています。

本当に本音を言ってしまいますが、必要なのか不要なのかと揉めてる時点で、そういう方々はちょっとクライアントワークには適正ないかも・・と思ってしまうのです。例えば歴史の授業で
『「墾田永年私財法」なんて今後の人生で使わないだろ。こんなの覚えてなんの意味があるの?』
みたいな感じでしょうか。いや私もそう思っていたし、そもそも本気で勉強や受験に向き合った事自体、一度もなかったのですが笑

まあ墾田永年私財法を使うかどうかではなくて、それを覚えたことで『学力テストで良い成績を収める』→『良い大学に入れる』→『給料の高い会社に就職できる』確率が上がるのは事実なわけで、短期的な利益や快楽に惑わされずに長期的な利益を見据えられる能力が試されてるんですよね。結局は。ちなみに筆者は目先の利益大好き人間ですよww

いい会社に入りたいなら、墾田永年私財法は覚えるべきだし、もっと人生で大切なことがあると思うのなら、覚えなければ良い。ピクセルパーフェクト論争もこれと全く同じだと思います。

高い単価で仕事を依頼してくれる会社はピクセルパーフェクトを求めてる場合が多いです

必要・不要の前にそれは紛れもない事実なので、自分の人生プランとか矜持とかと照らし合わせて、ピクセルパーフェクトが必要か不要かは考えてみるとよいかと思います。

ピクセルパーフェクト力は『磨いておいて損はない』

ピクセルパーフェクトなんて正直、今出回っているディスプレイのアスペクト比(縦横比率)の数だけ、デザインを作ってもらわないと意味なんてないです(10通り以上はあるでしょう)。私もめちゃくちゃそう思ってますよ。コーディングにかける工数もピクセルパーフェクトをやるかやらないかで、シンプルに倍くらい違うかもしれません。

ただクライアントからしたら、それができる開発者に依頼するし、更にも上流のエンドクライアント(本当のお客様)からしたら、そういう所に拘って作ってくれる制作会社に、高い金額を払うでしょうね。

ピクセルパーフェクトが人様に迷惑をかけるような事なら、また話は変わってきます。でもそんな事は絶対ないですよね?覚えて得するかは分かりませんが、誰に迷惑をかけるでもない事なら、練習はしておいたほうが良いとは思ってます。

まとめ

という訳で、すごく身も蓋もないというか雑な結論で申し訳ないのですがまとめます。『ピクセルパーフェクトが必要か不要か』と問われたら、私は以下の論調です。

ピクセルパーフェクトが必要か不要か?
  • クライントが必要と思うならやるべきだし不要と思うならやらなくていい。そこの判断は自分が決めるべきではない。
  • 使うか使わないかは置いておき、その能力は絶対練習しておいたほうがいい。

時給制の仕事ならともかくとして、成果報酬がメインの仕事の人はクライアントの感情を動かすことが仕事ですからね。感情を動かすには相手の状況や立場をイメージできるかどうかが滅茶苦茶重要になります。
依頼先のWEB制作会社だって大手のWEB制作会社の孫請の可能性だってある訳で、そこが「デザイン制作がメインでデザインに強いこだわりを持っている。しかもその会社がクライアントの超太客である」可能性だって全然ある訳です。

目先の墾田永年私財法を覚える必要性よりも、それを覚えさせようとしている先生や文科省や、社会のシステム(話でかすぎるって笑)の意図を考えたほうが生産的なのではないでしょうか。